「自然破壊」とは何か?生態学の視点から考察して見る【第11章】
【原生自然⇔都市環境】
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ここで考えるのは、原生自然への立ち返りでは無くあくまで都市環境を前提とした自然との調和です。
1960年代に起こった日本の高度経済成長期からおよそ60年。
単なる経済成長のみならず、自然との融合や未来を見据えた持続可能な街づくりこそが、未来の都市環境と言えるであろう。
では、それまでの日本においてはどうだったのであろう?
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【人力工事から重機械による開発へのシフト】
日本には長期にわたる歴史があり、古くから多くの建築や土地開発が活発に行われてきた。しかし、その時に大きな環境問題が生じ無かった理由は、その全てが人力工事によって行われたからである。城などの歴史的建造物を見てみると岩の間や柱の下から草木が生い茂っている事があると思う。しかし、現代の建造物においてビルや道路にこのような光景は見つからない。これこそが高度な都市化がもたらした弊害である。
かつて、人力による作業では掘削するにも限界があった。また、建物の造りにおいても材料を加工するのではなく、それぞれの素材の特性を利用して用いることの方が多かった。これにより、たとえ耕されたとしても土壌の種子や植生は破壊されにくく素材についても同じことが言えた。しかし、重機械による開発が活発化すると作業効率は各段に上がると同時に、これらの自然との調和は瞬く間に失われてしまった。